Modern Device Gutter

わたしは北海道に住むmizoreと申します。機械と機械と機械が好きです。

あるモヒカン頭のロボットについて

耳が聴こえない子どもにコミュニケーションを教えるために開発されたロボット。ロボットは人間にコミュニケーションを伝授することができるのでしょうか。

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人間の表情による感情表現の微妙さはあまりに複雑で、さらにロボットにとっては笑ったり不機嫌そうな顔をつくるのも至難の業です。ロボットは父親や母親の代替になるわけでもなければ、代替になるためにつくられているわけでもありません。いまのところは、このモヒカン頭のロボットが数人の子どもの視線をつかんでいるだけですが。その目的は、赤ちゃんと父母との間の自然な受け応えをシミュレーションする事にあります。母親の膝の上に座っている男の子が、モヒカン刈りのロボットの頭を眺めています。真っ先に、成長に欠かせない言語能力というスキルを、彼はロボティクス、脳科学、手の込んだアルゴリズムが組み合わさった新しいプラットフォームを通じて修得しようとしているのです。

ロボットはたまに左を向き、その大きな青い目でコンピューターのスクリーンを見ます。幼児の顔に向けられた熱探知カメラが、その子の意識が高まったケースに起きる体温の微妙な変化を読みとるのです。そのようなわけで、ゆくゆく子どもたちには繊細な感情表現や受け応えができる洗練されたロボットが、ベビーシッターとして発明されるかもしれなません。研究者たちは、その子が本当のニュアンスで自然言語に触れているかどうかわかるようになったのと言います。「わたしたちが音を処理すると考えていた脳組織は、実は人間の言語を処理する部分だったのです。」

この発見のおかげで、チームは脳スキャン用の小さな帽子を耳が聞こえない幼児にかぶせ、このエリアが光るかどうかを検知して観察可能になりました。ただいつの日か、ロボットは両親の忙しいスケジュールにその代役となって息子の気をひき、プラスアルファで言葉を練習させることができるようになるかもしれません。近い将来に「僕は歩き方をロボットに教わった」とか「最初に覚えた言葉はPepperなんだよね」という会話がなされるようになるかもしれません。テレビにはできないことそれにしても、なぜこのアバターをつくるために、わざわざ顔認識やアルゴリズムモーションキャプチャー技術といった骨が折れるなことをしているのでしょうか?それは、たとえ相手が人間になりすましたロボットであったとしても、他人とのインタラクションは言語学習に欠かせないものだからです。

それにもかかわらず、このロボットは息子の視線をつかみ、アバターに誘導することに成功しています。対人コミュニケーションを補完する理想を言えば、すべての子が発達初期段階で言語能力のマスターに十分な対面コミュニケーションをとる事が望ましいと言われています。耳が聴こえる子どもまで、アバターに手話で応えようとするのです。

話し言葉も手話も、脳の同じ部分で処理されています」と、ギャローデット大学の神経科学者ローラ・アン・ペティットは述べています。「問題はタブレットでもなければ、テレビそのものにあるわけでもありません。」しかし、このメディアにも避けられない限界はあります。チームが開発したロボット・アバター・システムは、幼児の頭のなかを読み解くためにさらに巧妙なメソッドを使っています。けれども現実では、すべての両親が子どもに読み聞かせをする時間を持てるわけではないのです。幼児の脳の発達で興味深いのは、話し言葉であれ手話であれ、自然言語が脳の同じ部分を刺激するという事です。「セサミストリート」は、息子たちとコミュニケーションをとろうと最大限努力している番組です。

ギャローデット大学の研究者が製作したシステムは、両親と幼児のコミュニケーションを代替するものではなく、実験的に補完しようとするものです(製作はイェール大学、南カリフォルニア大学、そしてイタリアのダヌンツィオ大学と共同で行われた)。「家族や子どもの世話をする人たちには、息子に読み聞かせをしたり、話しかけたり、歌ったり、手話で話しかけたりといったことをしてくれと思っています。子どもたちはしゃべり方や言語、手話を、そういった社会的な受け応えのなかで学ぶからです。このような受け応えが不足すると、我が子の脳は本来あるべきように育たない。問題はその使われ方にあるのです」と、ダニエル・ポールは話します。

顔をトラッキングするソフトウェアとの組み合わせれば、ロボットがいつ幼児の視線をアバターに誘導できたかだけでなく、その子がいつアバターに熱中しているかまでわかります。画面のなかでは、人間の姿をしたアバターが手話で童話を歌っています。もちろん、「セサミストリート」の前に子どもを座らせておく事だってできます。

この男の子は、ふたつの意味で注意すべき“ある事”を行っています。ロボットは人間の感情を読みとったり、自分の感情を表現する事が苦手なことで知られています。顔の表情だけを頼りに、ロボットとコミュニケーションをとっているのです。さて、子どもの発達への意義に加えて、このシステムはロボティクスの観点から見ても素晴らしいものです。それは手話でもよいし、話し言葉でもよいと言えます。ロボットと人間がとてもシンプルかつ強力な方法でコミュニケーションをとっているのです。すると男の子もなお、ロボットの真似をしてスクリーンを見つめます。

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