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わたしは北海道に住むmizoreと申します。機械と機械と機械が好きです。

アルバイト勤務者は貴重な人材なのか

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皆さんは長距離通勤したことありますか。わたしは車で1時間くらいの職場を経験したことがあります。毎日あまり考えずに通勤していると気にならなくなるのですが、往復で2時間取られるということを考え始めると嫌気がさしたのを覚えています。

日本の大都市に住む会社員の多くが、いまだ「長距離通勤」にあえいでいます。タワーマンションが都心近郊に続々と立ち並ぶ時代になりましたが、実は長距離通勤問題はほとんど改善していないのです。

総務省の調査では、平均通勤時間は1時間を超えており、いちばん長い神奈川県は1時間45分もかかっています。30年以上前、筆者が子どもだった頃、郊外に戸建てを購入し、満員電車で長時間通勤するサラリーマンの姿をドラマで見た記憶があります。「大変そうだ。そうはなりたくない」と感じたことを思い出しますが、現在も状況は大きく変わっていません。筆者の周囲で聞いてみても、往復で1時間半くらいかかる人が大半でした。

一方で非正規社員の通勤時間はどうか? 特にアルバイト・パートの通勤時間は正社員とは大きく違っています。勤務先への通勤時間は正社員に比べて短く、30分未満が6~7割を占めています。さらに学生・主婦・シニアに絞ると15分未満。逆に45分や1時間かけて通う人は1割程しかいません。電車を使わない、使っても1~2駅程度の通勤でないとやらないということのようです。周囲でアルバイト・パートをしている方数人に話を聞いてみると、

•家事に支障をきたしたくない

•学校と自宅の間にあることが重要

などの条件で職場を探したとのこと。家や最寄り駅などからアルバイト探しをするケースが多く、実際にも、アルバイト・パートの採用は電車沿線の近隣で取りまとめて求人が探せるようになっています。

このようにアルバイト・パートは通勤時間だけで比較すれば、正社員よりも相当に恵まれているといえるかもしれません。

取材した元正社員のDさんは家庭の事情で、地元の店舗で販売員のアルバイトになりました。年収は半分くらいになりましたが通勤時間はわずか5分。睡眠不足、満員電車のストレスがなくなって、すこやかな生活に変化したようです。

米世論調査会社ギャロップによると通勤移動に時間がかかる人ほど幸福度が低いとのこと。通勤に1時間を要する人の場合、職場に歩いて通える人と同程度の満足度を得るためには、その人よりも40%多くおカネを稼がなければならないとする研究者もいるとのこと。通勤時間が長いことは多くの人にとって大きなストレスなのでしょう。

混雑の中で1時間近くかけて通勤することと、自転車で10分くらいの所に職場がある環境。これだけで比較すれば、アルバイト・パートにも魅力を感じる人はたくさんいるかもしれません。

さて、こうした通勤時間の現状を踏まえて、会社が置かれた1つの問題について考えてみたいと思います。非正規社員の採用において、勤務地の周辺に住人が少ない場所では、採用に苦労することが明らかではないでしょうか?

こうした地域を筆者は「アルバイト人材不毛地域」と呼んでいます。たとえば、都心部のオフィスや、開発は進むものの住居がない湾岸地域(空港やショッピングモールのそばなど)、また過疎化がすすむ地域(コールセンターやリゾートホテルのそば)などがそうです。

取材していると、アルバイト人材不毛地域に職場を立ち上げ、人手不足により、撤退せざるをえなくなる事例も出ています。

たとえば、ある国際空港の中にある飲食店のケース。

近年、海外からの旅行者の増加に加え、開発されてにぎやかになった空港をデートで訪れるカップルや家族連れが増加。飲食店は終日、混雑が続く状況です。ですから、空港から出店要請を受けた飲食チェーン経営者は「喜んで」開店します。

ところが人材配置に苦戦することになりました。開店当初、オープニングスタッフは既存店の経験者で対応します。オペレーションの大変さからベテランの経験者でないと対応が難しいと判断したからです。

そうして無事に開店すると、店は地元で新規採用をし、ベテランスタッフは別の新規オープンにまわしたくなります。ところが、いつまで経っても新規のアルバイトスタッフが採用できません。

そこで「時給が安いからに違いない」と判断し、時給をあげて募集してみたのですが、それでも応募はありません。それもそのはず、その店から通勤30分以内の地域にはもともと、アルバイトできる人材があまり住んでいないのです。

そのまま、新規採用ができない状況が1年以上も続き、ベテランスタッフから「元の店舗に戻してくれないのであれば辞めます」との話が出てくる事態に。そのベテランスタッフの通勤時間が90分以上になり、それであれば、地元の飲食店からのオファーもあるので、その仕事に移りたいというのです。

結局、地元採用が困難であることを理由に、店は閉店することになりました。ちなみに売り上げはそれなりにあり、黒字を計上していました。ただ、スタッフ不足もあってお客からのクレームが多く、飲食店の評価サイトで同じチェーンの他店に比べて評価が圧倒的に低く、「会社のイメージを損なう」との判断もあったようです。

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あるいは人里離れた山を切り開き、外国人用リゾートを開発した会社のケース。サービスマンはグループの別のホテルからの異動で何とか確保したものの、ベットメイクや清掃スタッフの確保ができず、開業を1年以上延ばすことになりました。

その会社が別の地域で予定するリゾートホテルでも同様のことが予想され、人員確保を検討していますが、手立てがなく、関係者は困り果てています。

こうしたアルバイト人材不毛地域での人材確保は、これからも厳しい状況が続くでしょう。いったい、どうしたらいいのでしょうか?

会社はアルバイト人材不毛地域で簡単に採用ができないことを覚悟し、いくつかことに取り組むべきでしょう。

1つはアルバイト確保をあきらめて、正社員による対応を前提に組織をつくる。日本の多くの会社では、正社員は職場の異動を厭わないのが前提。アルバイト人材にやってほしい仕事を正社員が担うわけですから、人件費は当然上がりますが、人材確保自体は可能になります。

そして、もう1つが長時間通勤だとしても働きたくなるような、職場環境の整備です。アルバイトとして仕事を選ぶ条件の上位は時給、勤務地、勤務時間。ただ、その次にくるのが仕事内容です。

ちなみに仕事内容には職場環境や職場の同僚も含まれます。それを踏まえて、長時間通勤をしてもいい……と思えるような環境整備をするのです。

たとえば、魅力的な人材育成のプログラムに参加できるとか、正社員並みの福利厚生がある、長時間通勤のかわりに柔軟な勤務態勢がある……など、長時間通勤のデメリットを補ったり上回るような仕組みがあれば、人材確保の可能性はぐっと広がります。

ちなみに外食業界では、まかないがおいしい職場は長時間通勤でもアルバイトが辞めない傾向があるとも言われます。筆者が取材したレストランでは、まかないをシェフが作り、店のメニューと遜色ない、しかもメニューにはない内緒の料理が提供されているとのこと。この料理のために、長時間勤務を厭わないアルバイトスタッフがたくさんいるとのこと。

あるいは、正社員と同レベルの人材育成や指導をする職場環境の整備。アルバイトをする人の中には、ある程度、責任のある仕事を任されたいと考える人もいます。こうした人の応募意欲を高めるような施策を用意するのです。

これらは一例ですが、こうしたメリットを明示して募集をすることで、アルバイト人材不毛地域でも、応募の数が多少なりとも確保できるのではないでしょうか。

ただ、どのような工夫をするとしても、会社はアルバイト・パートの採用をもっと戦略的かつ緻密に取り組まないと大変なことが起きる時代になったのは間違いありません。人材確保の方法を考えないまま事業計画を立て、結局、頓挫するということがなければと願っています。

人手不足と長距離通勤。なかなか大きな問題になりそうですね。